物語にはほとんど登場しないながらも序盤から終盤までキーパーソンとして存在感を発揮したエレンの父・グリシャ。
知性的な父親だったかと思えば過激な政治活動家だったり、登場のたびに違う顔を持っていましたね。
もちろん他のメンバーに負けず劣らずのかわいそうエピソードも…
この記事ではそんな彼の波乱に満ちた人生をまとめてみたいと思います。
少年エレンの父として登場、すぐに行方不明に
グリシャは主人公・エレンの父として初回から登場します。
シガンシナ区で医師をやっていて、良識ある知識人という印象の人物です。
超大型巨人によってウォール・マリアが陥落した時には内地へ診療に出ていて不在でした。
混乱の中そのまま行方不明になりますが、多くの謎を残していくのでした…
マーレのエルディア人収容区で育つ
グリシャは実は海の向こう、マーレ国で被差別民であるエルディア人の家庭に生まれました。
エルディア人収容区の人々はマーレによる洗脳教育を受け、マーレ人の監視のもと不自由な暮らしを余儀なくされています。
そんな中、グリシャは自分たちの境遇に疑問を持ちつつも平穏に暮らしていましたが…。
妹を失う
ある日、妹フェイと空に浮かぶ飛行船を目撃したグリシャは、飛行船の発着場が見たくなり、出来心で禁止されている塀の向こうへ出かけてしまいます。
しかしそこで治安当局に見つかり、みぞおちに膝蹴りをくらいます。
これは痛い。。
グリシャは命は助かりましたが、一緒に捕まった妹はなぶりものにされ悲惨な最期を遂げることとなってしまいます。
事件について明らかに嘘の説明をする当局に対しへり下る父。グリシャは父や世間に激しい憎しみを抱くこととなりました。
反政府組織「エルディア復権派」
18才になった頃、反体制地下組織「エルディア復権派」に勧誘されます。医者という立場にいることと、マーレ政府への反感を買われての事でした。
そこでかつて妹が死んだ時の真相を聞かされたグリシャはマーレへの復讐を心に誓い、復権派の仲間となります。
グリシャはカリスマ性を発揮し、瞬く間に組織の中心人物となっていきます。
ダイナと結婚、ジークの父に
エルディア復権派の活動の中で、マーレ打倒の鍵となりうるフリッツ王家の末裔・ダイナと出会い結婚。長男ジークを授かります。
折しもマーレ政府はパラディ島の王家が持つ「始祖の巨人」を奪うべくエルディア人部隊「マーレ戦士隊」を創設。エルディア人の子供を候補として募集します。
マーレ軍を出し抜いて「始祖の巨人」を手にするべく、グリシャはジークをスパイとしてマーレ戦士隊へ送り込むことにしました。
ジークの密告→楽園送り→進撃の巨人継承
息子ジークは葛藤に悩まされながらも両親の期待に答えるべく戦士隊を目指して訓練に励みます。
しかし、ひょんなところから両親に当局からも疑いの目が向けられていること、もう捜索が目前に迫っていることを知ってしまいました。
このままでは親族全員が「楽園送り」にされてしまいます。
政治犯などに課せられるマーレの刑罰で、パラディ島に連れて行かれて巨人化の薬を投与、無垢の巨人として壁外をさまよい続けることになる。
悩み抜いた末にジークがとった決断は両親を当局に売ることでした。犠牲を最小にするにはこの方法しかなかったのです。
こうしてグリシャは逮捕、少年マンガらしからぬエグい拷問を受けます。
パラディ島へと連れて行かれたエルディア復権派の面々は、次々と巨人にされていき、そしていよいよにグリシャの番となった時、マーレに潜入していた内通者「フクロウ」によって救われます。
グリシャはフクロウことクルーガーから「進撃の巨人」を継承し、始祖の巨人奪還の任務に向けて動くことになるのです。
パラディ島にて
パラディ島の壁の中に到達したグリシャは、一般人として街に溶け込みます。医師として住民たちに慕われながら、診療を隠れ蓑にして内地へも往来、始祖の巨人の行方を探ります。
始祖の巨人はレイス家が継承していると早々に突き止めたグリシャですが、なかなか行動に移せません。
始祖を奪うためには継承者を殺さねばならないのですが、医師でもあるグリシャの良心がそれをさせなかったのです。
そのまま家族との平穏な日々が続きますが、契機が訪れます。
マーレ戦士隊による襲撃です。
超大型巨人により壁が破壊され、多数の巨人が居住地になだれ込んだと知ったグリシャは、始祖の巨人を持つレイス家の元に向かいます。
グリシャは侵入した巨人を倒して欲しいとフリーダ・レイスに懇願。
しかし「不戦の契り」に縛られたフリーダはグリシャ願いを拒否します。フリーダはこのままパラディ島の人々が始祖の力で記憶を改竄され続け、戦うこともできずに滅ぶことを望んでいました。
それを受け入れられないグリシャは始祖の力を無効化すべく、王家の血を根絶やしにしようとしますが、やはり良心がためらわせます。
ところが「進撃の巨人」の力で未来のエレンがグリシャに語りかけ、定められた未来に突き動かされたグリシャはとうとう始祖の巨人を食らい、ロッド以外のレイス家は全滅します。
グリシャはエルディア人を救うために未来のエレンの声に従いましたが、肝心の救われた未来を見ることができません。
さらにグリシャは恐ろしい未来を見てしまい、絶望します。長男ジークを政治活動の道具のようにしてしまったことを後悔もしました。
その後自分の元に現れた少年エレンに未来を託し、巨人化させたエレンに自らを食わせてその生涯を閉じることとなったのです。
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基本的に壮絶だが、幸せ期間も長かった？
肉体的にも精神的にも辛い経験が多かったグリシャですが、実は戦闘という地獄は生涯を通してあまり経験していません。
パラディ島の船着場から街までの道中とフリーダ戦くらいでしょうか？
また、それなりに幸せな家庭生活を長年していたこともあって、トータルでの幸せ度は他の登場人物に比べればずいぶん高かったのではないでしょうか。
まあ最期は絶望の中だったのでキツイかもですが…。
とはいえ、この人の人生を「まだマシだったかな」と思えてしまうくらいの他のメンバーをどうにかしてあげたいものですね。
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