「進撃の巨人」の登場人物たちはほぼ例外なく過酷な人生を歩まされていますが、中でもクリスタことヒストリアの人生はえげつないくらいに壮絶です。
当初はどっちかというとお姫様系のキャラクターの立ち位置でしたが、
…ここまでさせちゃう?
というくらいには読者にとっても衝撃的な出来事のオンパレード。
そんな彼女の人生を振り返ってみましょう。
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ヒストリアの子供時代
生まれはウォール・シーナ(一番内側の壁の中)の北部、貴族レイス家の領内の牧場です。ヒストリアは幼い頃から牧場の仕事をしていましたが、母は家業には参加していませんでした。
どうやらヒストリアの母親は夜のお仕事だったようですね。
愛されなかった幼少時代
母はヒストリアに対して完全に無関心で、親が子に世話を焼くものだということはヒストリアは本を読んで初めて学んだくらいでした。
一度だけ甘えてみようと母に飛びつくと、顔面をつかまれ投げ飛ばされます。そこまでしなくても…
その時、母の発した言葉が
こいつを殺す勇気が…私にあれば…
諌山創『進撃の巨人』第52話「クリスタ・レンズ」より
これがヒストリアが母にかけられた初めての言葉だったとのこと。いやいや…
母だけでなく牧場を経営する祖父・祖母にも温かく接されることはなく、同年代の子供たちには石を投げられる生活でした。少年漫画でここまでしますか(悲)
父親の出現と母親の死
なぜそこまでされる目にあうのか。それはヒストリアが不義の子だったからです。
ヒストリアの父は領主ロッド・レイス(妻子持ち)だということが明らかになります。
そしてウォールマリア陥落後、突然ロッド・レイスはヒストリアを娘として引き取りに来ます。
これはグリシャの「進撃の巨人」に家族を皆殺しにされたため、急きょ後継者が必要になったからです。
しかし、そこにケニー率いる中央第一憲兵が現れます。彼らは母親を殺し、ヒストリアをも手にかけようとします。
しかし、ロッドはケニーに「ずっと遠くの地で慎ましく生きるのであれば見逃してやったらどうか」と提案し、受け入れられます。
ヒストリアはロッドから「クリスタ・レンズ」の名を与えられ、開拓地へと送られました。
クリスタ・レンズとして兵士に
訓練兵団から調査兵団に
開拓地で2年間過ごした後、クリスタは訓練兵団に入隊し、エレンたちと出逢います。
兵士としてもそれなりに優秀だったようで、訓練兵団の最終成績では10番に入りました。
クリスタは仲間たちに際立った心遣いと優しさを見せ、サシャからは神様と崇められるにまで至ります。
しかし、雪山でのとある訓練にてユミルにより自分の心の闇を見透かされました。
無意識に自らの死を望んでいたこと、そのためには仲間を巻き添えにさえしてしまうような選択をしていたこと。
ユミルとクリスタはお互いの似たような境遇を知り、強い絆で結ばれるようになります。
その後、トロスト区での巨人勢力の襲撃のあと、調査兵団に入ります。
「かわいい」「結婚したい」と評判に
調査兵団では直接戦闘に加わることは少なかったものの、絶妙な時にフォローに入りみんなを癒すアイドル的な存在となりました。
ライナーは2回くらい結婚したいと言っていました。
万が一この2人が結ばれていたら「進撃」の2大不幸キャラによるカップルが生まれているところでしたね。
王家の生き残りと判明、女王となる
レイス家が本当の王家だと知る
物語が進むと、クリスタの出自が調査兵団の仲間にも知れ渡るようになります。
しかも現在のフリッツ王家は替え玉であり、レイス家こそが本物の王家だということも。このことはヒストリア自身も知りませんでした。
そして人類全体の安全をかえりみない現王政を打倒しようと兵団がクーデターを画策し始めたときに御輿に担ぎ出されるのが正当な王家の末裔・ヒストリアでした。
ヒストリアは動揺しながらも半ばやけっぱちで女王となることを了承。しかし王政側のボスである父ロッドにエレン共々拉致されてしまいます。
ロッドの目的はヒストリアを巨人にして「始祖の巨人」を継承するエレンを食わせ、王家に真の支配力を取り戻すことでした。
巨人化した実父・ロッドを倒し女王に
家族の愛に免疫のなかったヒストリアはロッドの言葉にほだされ、一時は本気で巨人になってエレンを食おうと思います。
しかし親友ユミルが遺した「胸張って生きろよ」という言葉を思い出し父に反抗、エレンを救出します。
父は最後の望みをかけて自ら巨人化しますが、制御ができずに当初のエレンを食うという目的も忘れて多くの人が住む街に向けて移動を開始。
兵団は動員できる兵力の全てを使ってロッド巨人を爆破。ヒストリアは破片の中からその本体を見つけ出し、自らの手でトドメを刺しました。
決意を固めたヒストリアは、こうして民衆からも喝采を浴びながら女王として即位。
妊娠・出産
壁の中が平和になったのも束の間、ヒストリアたちが住むパラディ島に敵意を向ける外国勢力の脅威が明らかとなります。
戦乱うずまく情勢の中、突如としてびっくりなシーンが。
アイドル的存在のヒストリアが子を身籠っているようです。しかもあんまり幸せそうじゃないんだけど…
そしてこの男だれやねん!といろいろ説明が待たれる一幕でした。
父親は農場の使用人
父親はヒストリアの幼少期、彼女に石を投げていた少年だと判明します。好きな子をいじめるパターンのやつですね。
で、罪滅ぼしにひっそりとヒストリアの孤児院を手伝っていたところに声をかけられて…とのこと。
これなら普通(?)の恋愛にも見えるのですが、そこにすら政治的な思惑が働いていたのです。
政略結婚ならぬ政略出産
外国勢力からの自衛を願う兵団は始祖の巨人の力「地鳴らし」を抑止力に使うべきだと判断。
しかし始祖の力は王家の者以外は使えないため、兵団はヒストリアを巨人にしてジーク(のちにエレン)を食わそうと画策します。
しかしエレンはヒストリアを巨人になどさせたくありません。ヒストリアももちろんエレンが死ぬのは望んでいませんでした。
そこでヒストリアが下した決断は、子供を作ることでした。
妊娠中に巨人化すればお腹の子はおそらく助かりません。兵団もさすがに女王の子を死なせることはできないので、ヒストリアの巨人化は延期せざるをえないというわけです。
世界と仲間のためとはいえ、どこまで彼女たちは運命に身を捧げなければいけないのでしょうか。
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まとめ:ヒストリアに幸せな日々は来るのか…
第134話には、1ページだけですがヒストリアが出産に臨んでいるシーンが描かれます。
最後のコマで見せた涙は無事に子供が生まれたということなのでしょうか、それとも別の意味があるのでしょうか…
少年マンガのアイドル系キャラ史上屈指の過酷な人生を歩んでいるヒストリア。最終話では幸せに笑っている姿を見たいものですね。
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